1.ご遺体をエンバーミングテーブルの上に正しい姿勢で安置する

ご遺体をエンバーミング用のテーブルに安置します。

2.ご遺体の着衣を取る

御遺体の状況によっては皮膚の疾患、皮膚癌等があるので、傷をつけぬよう丁寧に死後硬直を解きながら着衣を脱がせ同時に包帯やガーゼ等も取り除きます、又着衣を取った後は局部を布等で被います。

3.全身の殺菌、診断

消毒液を全身にスプレーし体表に付着している微生物や細菌の殺菌を行います。

4.体腔の殺菌、洗浄

鼻腔や口腔、その他の体腔内にすでに詰められている脱脂綿等を取り除き、消毒薬とコットンを用いて慎重に洗浄を行います。

5.整顔(お顔を整える)

目や口を閉じることを中心にお顔を整える作業を行います。
自然で安らかなお顔に整え、皮膚の乾燥を防止するオイルやクリームを塗布します。

6.切開を行う

エンバーミング溶液の注入、血液を排泄する動脈、静脈を挙げるための切開を行います。
主に右鎖骨上部、及び右または左大腿部(太もも)に1.5cmから2.0cm程度の切開を行います。

7.動脈、静脈を挙げる

切開した部分から専用の器具を使用して動脈、静脈を挙げる作業を行ないます。

8.注入を開始する

挙げた動脈よりエンバーミング溶液の注入を開始します。同時に静脈を切開し血液の排泄を開始します。

9.マッサージ

薬液の注入に伴い、ご遺体の体全体にマッサージを施します。主に身体の先端から心臓に向けて血液の排泄を即すように行い、同時に洗髪を含む全身の洗浄も行います。

10.注入終了

エンバーミング溶液が全身に行き渡ったかどうかは、目視・触手等で判断します。これは経験に頼ることも少なくありません。

11.吸引処置

注入の処置後胸腔(胸の内部)、腹腔(腹の内部)に残った体液の吸引を行います。
循環器系、消化器系、呼吸器系のすべてに対し吸引を行い、体内に残った腐敗しやすい物質を取り除きます。

12.縫合

注入のために切開した部分や、その他手術の痕等の縫合を行います。漏れ等が生じない様、細かく丁寧に縫合していきます。

13.体腔内の防腐、殺菌

吸引を行った体腔内に、改めてエンバーミング溶液の注入を行います。内臓は他の部分の組織に比べ腐敗の進行が早いため、先に注入したものよりも高い濃度のエンバーミング溶液を注入し腐敗や微生物の繁殖を防ぎます。

14.洗浄

様々な箇所を慎重にチェックしながら、殺菌洗剤で全身の洗浄を再び行います。

15.乾燥

全身をタオルで拭き取り、ドライヤー等で頭髪を乾かします。切開をした部分や、その他の手術痕等の処置を施します。

16.着付け

ご遺族よりお預かりした故人の着物や洋服を着せていきます。エンバーミングを行うことにより、ご遺族や故人がお好きな物を着せて、故人が生前お元気だった頃の姿を演出することが可能になります。

17.化粧

性別や年齢等を考慮し、その方に合った化粧を施し自然なお顔に整えさせて頂きます。

18.安置、納棺

ご自宅等へお戻しをさせて頂き、お布団へ安置し最終的に着物や髪型を整えます。

以上が通常のご遺体に対するエンバーミングの処置です。御遺族よりお預かりさせて頂く故人さまを大切に扱うことを一番重要と考え、日々行っております。